農業はそもそもで環境破壊の側面をはらんでいます。一方で農業はなくてはならない営みだと思います。そこで私たちは自然との共生を第一に、その手段として環境負荷の低い農業に取り組むことを目標に据えています。
じきの畑では化学農薬・化学肥料は一切使いません。畑に与えるのは羊や豚の糞、籾殻、そば殻で作る土壌改良材。そして、病害虫がどうしても避けられないときにだけ使用する無化学農薬のみです。野菜畑は農薬も肥料(堆肥も含)も与えません。
私たちの農の営みが環境への負荷が低いことを他己評価するためにもと考え、全圃場にて有機JAS認証を取得しています。
畑には多くの虫や蛇、狸、兎、狐、鳶が住み、その環境下で食う食われるの循環が起こっています。畑を歩くと蜘蛛の巣の多さに驚くとともに、この畑の中で循環が起こっていることに喜びを感じます。
そして発酵を司る微生物も畑からの産物と考え、多種多様な菌達の住処としての畑作りに精を出しています。微生物が生きる環境を整えることも大事な畑仕事と考えています。
80点の葡萄からはもしかしたら70点のワインが造れるかもしれません。逆に30点のワインが出来てしまうかもしれません。ただ、30点の葡萄から70点のワインを造ることは絶対に出来ません。
今は単に分析値だけを頼りにするのではなく、その土地で葡萄が「熟」したことを感じ取り、収穫することが重要と考えています。
ワインは畑からの恵みであり、農産物なんだと思って日々畑と向き合っています