夕 2023
¥3,960
SOLD OUT
~葡萄について~
じきの有機ブドウとエコビレッジの有機ブドウを使用しています。
品種はツヴァイゲルトレーベ95%(じき96%、エコビレッジ4%)、他葡萄5%(じき100%)です。
2023vtは過去経験がないほどの猛暑が9月上旬まで続きました。結果的に10月の収穫期には葡萄に蓄積されたダメージが大きく、余市で「熟した」ツヴァイゲルトレーベを収穫することは出来ないなと感じていました、実際にツヴァイらしい黒々とした着色も遅れてしまい、いつものようなどっしりとした色調のワインとは違う方向での造りを目指しました。
そのような状況でもしっかりと線引きをした上で、可能な限り熟度が高まった状態での収穫を意識しました。
収穫日は10/15と10/25の2日間です。
~造りについて~
亜硫酸の添加は発酵後樽へ移動する際に7.5ppm、瓶詰前に5ppmで合わせて12.5ppmとなっています。
10/15収穫の葡萄、10/26収穫の葡萄ともに85%を手除梗し、残りの全房15%をタンク上へ置いてドライアイスを投入、セミMCをしました。そして、先に発酵が始まっていた2023vt環を少し分けてもらい、タンクへ流し入れました。これによりマストの菌叢のメインを一気にサッカロミセス属に占有させ、低温・低アルコール下において活発化するクロッケラ属、ハンゼヌラ属によるVA生成を抑えつつ、コールドソークを可能な限り引っ張れるような環境をタンク内で整えました。このスターターによりタンク底にジワリと滲み出てきたマストを低温で健全に発酵させられ、コールドソーク中のVA発生を抑えました。
秋の肌寒い環境の中、それぞれのタンクをワイナリー外に25日間タンクを置きました。コールドソーク中は極力抽破砕による抽出は行わず、VAが感じられたときに軽くルモンタージュをする程度に抑えました。粒や房を潰すようなピジャージュは行っていません。低温での発酵が長く、アルコール濃度の上昇がゆっくりと進んでいったため、元々の葡萄の色素は強くありませんでしたが、破砕による嫌なタンニン抽出を避けた割にアントシアニンをはじめとする水溶性フェノールの抽出が進み、今シーズンの葡萄の色合いの割に十分の色素が得られました。一方、室内へ移動してからはMC香特有のナスの漬物香やツヴァイゲルトを低温醸しで行うと出てくるグレープフルーツ香が目立ちました。
結果的に各タンクともコールドソーク期間は25日間、その後室内で6日間醸しました。計31日間の醸し期間を取りました。
その後、プレスしてステンレスタンクへ移動し、発酵を終わらせてからフレンチオークの古樽に入れ、月1回ほどのトッピングをしながら14か月間樽熟成しました。高温による酸抜けの影響で樽熟成中での試飲では酸がないためか、過去にないレベルでフラットな仕上がりとなっており、逆に抽出をしなかったタンニンですら存在感を感じてしまうレベルのバランスとなっていました。最終的な酸とタンニンの構成を考えた結果途中で全量の5%程度の単一白葡萄のマストを分け、樽内で熟成を続けました。抽出を行わず、軽い仕上がりとなりましたが酸とタンニンのバランスも良く、果実感のふくらみも申し分ない出来となっています。2023のツヴァイゲルトであれば私自身は十分目的のモノが造れたという感覚です。
野生酵母による発酵、野生乳酸菌によるMLF。ノンフィルターで瓶詰しています。
~飲み頃について~
リリース直後の2025年に飲んでいただいても十分楽しめると思います。5年ほど待っていただいてもタンニンのニュアンスがより馴染んだ上で白葡萄系の酸とのバランスが整って、よりワインとしてのポテンシャルが上がると考えます。
~現段階でのテイスティングコメント~
トップに赤いベリー、樽感、清涼感を想起させるようなハーブ。スワリングして、若干の還元香、オールスパイス、ほんの少しバター感。
アタックに丸みのある酸とふくよかな果実感。ミドルに向かい、果実のふくらみがより大きくなっていく。タンニンの主張はそこまで強くないが、味の主線の両脇を引き締める意味でこの若干の渋みが良い働きをしてくれている。ミドルからアフターにかけてハーブのような清涼感が取れる。余韻にはこなれた感じの強すぎることのない酸が走っていく。
◆ 品目 … 果実酒(日本ワイン)
◆ 原材料名 …有機ぶどう(余市町登町)、酸化防止剤(亜硫酸塩)
◆ 品種 … ツヴァイゲルトレーベ
◆ 内容量 … 750ml
◆ アルコール分 … 12.5%
◆ 製造者 … 合同会社10R(北海道岩見沢市栗沢町上幌1123番地10)
◆ 販売者 … じき(北海道余市郡余市町登町1350番地3)
◆ 亜硫酸添加量...12.5ppm